懐かしい猫の日

キリジャバナー2

こちらは以前出した同人誌の表紙です。今のところ人生で一度きりの自分だけの同人誌。猫の日に何かしたいなあ、そういえばあの表紙猫いっぱい描いたなあと思い出した次第です。そしてなぜか元データがない…またかよ。黒猫さんの下には当時の名前が載ってます。みなさんご存じだから隠すこともないんだけど。

この時はまだSAIで描いてますね。当時ギャッベ市とかに行って高い!買えん!かっこいい!となって描いた記憶があります。基本的にそういう衝動しかないのか自分よ。

数年前の絵ですが、見返すと今と大差ないことをしていると感じます。いや、この当時の方が…いけない。それは考えない(笑)キリジャの二人がそばにいるだけで、私の世界はいつだって平和になれるのです。それが好きな猫まみれなら、もう最高です。

拍手お返事(2/21)

***uさま、いつもサイトへ遊びに来てくださってありがとうございます!私なんぞにもったいないお言葉…恐縮しきりです…「おおきく振りかぶって」そんなに細かい設定があるんですね!野球部は最低でも9人いて相手チームも…そらすごい!比べ物にもなりませんが設定云々を考えるのはとても好きです~BJの原作を見返して、このコマはアレなんじゃないかとか、こう言うのはいつもナニしてるからじゃないかとか、しょーもないことを妄想して頭の中がいっぱいになったら、絵なりテキストなりに出力される感じです。思えば幼少期からそーゆーのが好きな子どもだったなあ…ハハハ…3つのカップリングも比較してみると、キリジャが一番清い交際をしてますね。凛々しいキリコ先生と瑞々しいBJ先生を描いてると心が浄化される思い…!また見てやってください~

キリジャが清いとか言う舌の根も乾かぬうちに、裏でやらかしてます。あっちのキャプションでも書いたんですが、原作ありきの表のキリジャと裏のジャキリ♀では、絶対に言わなさそうなセリフが私の中であります。それをパロディのカプなら言えるんじゃないかと。言わせてます。わっはっは。まだやるぞ。もっと頭の悪いことをするぞ。

あっ・・・・・・ちゃんとキリジャも描いてます。

なんだかんだホームグラウンドだと思います。キリジャの二人が寄り添ってるイラストを描くだけで、心の奥が潤うというか…いや、手前味噌もいいところなんですけどね。しばらくキリジャはイラストをコツコツ描いて、ストーリーが降ってくるのを待ってみようかなと。溜まったらギャラリーに上げに来ます。今日は節分の絵を背景違いで上げますね~何気に気に入ってます。二人が持ってる金棒(?)で殴られたら、そりゃあもう痛そうだなああ。

【BLOG】作業用BGM③

私が絵を描くときに欠かせないジャンルの音楽があります。ジャンルといいつつ、正式な呼び方は分類が不明瞭なのですが、平たく言えばテクノです。今回は洋楽メイン。

Underworld、「Born Slippy」「Two Months Off」など10年に1曲ヒットを出す奇跡のサウンドだと思ってます。ロンドン五輪の開会式の音楽に彼が深くかかわっていたのは後から知ったのですが、選手入場の中継で「Crocodile」が流れてる!と、胸が高鳴ったのは忘れられません。ロンドン五輪で言うなら、やっぱりFatboy Slimはスゴカッタ!スパイスガールズ再結成!となったところに、妖しげなタコのオブジェ…このイントロ聞き間違えるはずない…タコがパッカーンってなって中からノーマンが!!テレビの向こうで爆笑したのですが、「Right Here,Right Now」圧巻のプレイに、やっぱすごいわと舌を巻きました。Underworldがちょっと間延びしすぎてだらける傾向があるのに対して、Fatboy Slimは「Praise You」や「Weapon Of Choice」など短いフレーズを繰り返し刻んでくるのが、実にキャッチーでいいです。聞いてて楽しい。

しかしながらテクノサウンドの醍醐味として、人間の聴覚では捉えきれないサウンドの洪水によって引き起こされる、『music drug』という現象があります。私はこれがやめられない。

The Chemical Brothersの存在が、 私の中でそれの最たるものとして上げられます。いいんだよ!なーんだとか言われても結局ここに帰ってきちゃうんだから!まあ聞いてよ!なれそめは省きますが、彼らの音楽を中学生の頃から聞いています。醍醐味は「Star Guitar」のようにギュウ~っと締め上げられるように音が高くなっていく高揚感からパッと離されて、緩やかに降下してまた引き上げられて…が繰り返されるサイクルの中にあります。この時にまさしくキマる状況になるわけです。 The Chemical Brothersはその「ギュウ~~~~~」の高揚感が一等ウマイ!なめらかでどこまでも引き上げてくれそうで、その次の次を見せてくれる。それが年々どんどん洗練されていく。「Snoon」は堪りません。状況がマッチすれば彼らのサウンドでいつだって飛べます。うわ、キモチワルイ、自分!(笑)

キモチワルイに重ねるのですが、これドクター・キリコの安楽死装置に似てませんか?電極から超音波を流して延髄を麻痺させる、あのマシーンの仕組みそっくりに私には思えるのです。「キイーーーーーーン」ってなってるの、きっと私と似てる感覚だと!

そのイメージから描いたイラストがこちらです。なーつかしーーーー!

ライブで大量安楽死。勘弁してくれ。しかしながら…今はセットアップもこんなに大仰なものがいらなくなったそうですね。ノーパソとディスクがあればいいらしいです。進化してるなあ。

まあ、そういうドープな面もありつつ、純粋に音楽の組み立て方として、とてもクラシックのシンフォニーと類似していると感じます。ベートーベンやモーツァルトと並べたら似てるんですよ。こんなことは、もうえらい音楽評論家がどっかで言ってるでしょう。

昨年はフジロックに The Chemical Brothers が来ていました。行きたくて、でも行けなくて。動画で彼らのプレイを上げてくれている人たちがいて、部屋を真っ暗にして見てました(怖!)その動画にあるのは光とスモークとオーディエンスの熱、圧倒的なサウンド。動画の荒い音声でも伝わるんですよ。何よりも20年以上前のリリースになる「Hey boy,Hey girl」を今もライブの軸に持ってきている。この事実が突き刺さりました。20年前の曲をいつも求められる事実を The Chemical Brothers が受け止めて、でも最新のアレンジも入れつつ攻めの姿勢でプレイしているように私には見えて、やっぱり世界を相手に何千回もプレイしてきた本物のアーティストは段違いだと一人暗闇で得心したのでした。いつかそれを直に味わうことができたなら、もうどうなったっていいと切に願うのです。

Daft Punkを最後に挙げます。なーんだ、とか言わないでってば!ごめんね!アルバム「Discovery」の松本零二のジャケットに惹かれて聞いてみたら「One More Time」で一気にパーティ気分。なんちゃってパリピになりました。そんなパリピ気分で次のアルバム「Human After All」を聞いたら、横っ面とボディに重たいのを食らいました。なんだこれは。音楽と認めていいのか。暴力的な音の殴り合い。でも不思議な陶酔感。いやいやうるさいだけだと、私はこのアルバムを受け入れるのに10年かかりました。これがダブステップとの最初の出会いになるのです。

いつの間にかダブステップが大きな流行となっていくなか、 The Chemical Brothers は先の流行のベリーダンスをずっと踊っていました。彼らの得意なファンタジックな音楽と共に。それが歯がゆくもあり、安心でもあったのです。でも彼らはついにダブステップを刻みます。アルバム「Born In The Echoes」を聞いて、Daft Punk が打ち出した暴力的なダブステップのビートを、10年以上かけて彼らなりに咀嚼して嚥下して生み出した、 The Chemical Brothers 「らしい」部分のある新しい音楽だと受け入れることができました。酷評されてるけど「Wide Open」私は好きだよ! 似たような時期にUnderworldもダブステップを取り入れたアルバムを出しています。大御所が時間をかけて受け入れるしかなかったほど、衝撃が大きかったのだと改めて Daft Punk すげーとなったのです。

でもね、 The Chemical Brothers 最新アルバム「No Geography」良かったです。ダブステップを噛み砕いて粉々にして、もっと暴力的なサウンドを彼らは持ってきた。王者の貫禄を見せつけられた思いです。かっけー!「Free Yourself」は「Hey boy,Hey girl」のアンサーソングだと勝手に思ってます。PVも骸骨からロボットに代わってるけど、ダンスしまくってるシーンがもろに重なりました。かっけー!びゅんびゅんトビました。後は日本人のシンガーを起用してて、日本語が聞こえてくるのが新鮮だったけど、意味が分かるだけにチョット恥ずかしかったなあ。ひねくれもんです。

うわ!長い長い!ここまで読んでくれた方ありがとう!!つまみ食いもしたけれど、結局大御所に落ち着いてます。また新しいサウンドを彼らが届けてくれるのを楽しみにしつつ、今夜もペンを握っています。

拍手お返事(2/16)

***uさま、わあい!「その線は水平線」のアレに気付いてくださってうれしいです!私自身もキリコ先生と一緒にBJ先生との記憶をたどっている気分でした。拙い作文ですが、書いているうちにだんだんと迷子になったBJ先生が近づいてきてくれた。だから「バレンタインアソート」も描けたんだなあと。まだまだキリジャのストーリーは浮かんできませんが、気長にリハビリがてら落書きでもしていようかと思います。サイト移転以降恐ろしい勢いで更新してますからね…何かやらかしそうで怖いです(笑)拍手ありがとうございました!

拍手を下さった方々、ありがとうございます!

しかし、本当に恐ろしい更新速度だなあ…思いついた端から形にしている感覚。いいのか悪いのか。あとで恥ずかしくなるやつ?今日の覚書みたいに?まあ、いいか。

カプ覚書【キリジャ・ジャキリ♀・家族パロ】

女体化もパロディも含む記事です。苦手な方はバック!

気が付けば3つのカップリングを掛け持ちしてます。それぞれの違いをはっきりさせることで、もっとキリジャのことを掴めるかなと思ったので描いてみたのですが…一番キリジャの言語化が難しかったという…

語るに及ばず、と言いますか。ウチのキリジャの二人の間にあるものは、明確に言語化するのは何だか違うなあと。それが確認できただけでも収穫ありです。どっかで見たことのあるような頭の悪い矢印つきの図が載ってます。

クロオのガタイがやたらいいのは、単純に今ベルセルクにはまっているからです。ガッツの筋肉最高。新しいフェティシズムを得ましたねええ。筋肉は裏切らない!

まあ、その、落書きの覚書なので、気にしないで下さい。

拍手お返事(2/13)

ス**さま、うわわ~~~~!なんてすてきな感想をいただいちゃったんでしょう!何度も何度も読み返して、描いてよかった!としみじみとしております。私が描きたかったことを受け取ってもらえる喜びを感じてます。クロオの一途さ・情熱、キリコ姉の変化、キリコ兄、黒男、ひとりひとりに対して、深く読み取って下さって描き手冥利に尽きます!原作との関わりは、もうこの台詞はここで言わせたいと狙ってやってたところがあります。それが原作へのアンチテーゼにならないように気を付けました。特に「ALRIGHT」の手術のシーンとか…いつのまにかどっぷりラブストーリーを描いていたので、心理描写をお褒めいただき天にも昇る心持です。やった~キリジャはぼちぼちリハビリのように描いています。描くほどに、やっぱり好きなんて思ってます。また見てやってください。鬼滅の刃、アニメだとストーリー上はまだまだらしいですね。本当におもしろかったので、コミックスそろえようか悩んでます(笑)拍手、ありがとうございました!

の**さま、浴衣、いいですよね~一粒で二度おいしい。えちえち。うれしい拍手ありがとうございました!

**もさま、初拍手ありがとうございます!キリジャの小説(作文)はまだ全然書きなれなくて、しょんぼりしていたのですが、感想をいただけて天に向かってガッツポーズをしました。うれしい~本当にキリジャ万歳ですよね!やっぱり好きだなあ、キリジャ。

※裏ページからの拍手の通知が、メールで届かなくなってしまいました。多分プラグインのアップデートが原因だよなあ…今まで問題なかったし…どうしようもないので、一層注意して拍手一覧をチェックしますが、もしお返事漏れてしまったらごめんなさい。そうならないように、必死でチェックします!だって、拍手、うれしいですもん!!

その他にも拍手をありがとうございます!

拍手お返事(2/11)&雑記

***uさま、家族パロ見てくださってありがとうございます!気楽に描くつもりが、いつのまにかガッツリラブストーリーを描いてました…自分でもどうしてこうなった感があるのですが、みんなしあわせになれるような設定は私の頭の中にはあります。キリコ兄はキリジャの世界でしあわせにしますので!拍手ありがとうございます~

家族パロをご覧になられた方、拍手を下さった方、どうもありがとうございます。

その他にもたくさんの拍手に感謝を!

よーし、明日も生きるぞ~

ヘッダーの画像を変えてみました。やっぱ勢いで描いたほうが気に入るんですかね。でもそこで満足してると上手くならんじゃないか。描くべし、描くべし。

先日、遅ればせながら鬼滅の刃を一気に見ました。おもしろい。努力!友情!勝利!ジャンプの王道!コミックスは未読なので、アニメ以外のストーリーを全然知りません。推しができれば一気に買うかもしれない。いやいや、今月もうベルセルク一気買いしたし、予算オーバーだぞ。まったりいこう。

ベルセルクのことを思い出せば逸る心!!ヤンアニ連載再開まだかーーーーーーッ!!!こっちもそうとうまったりいかねばならんのに。年単位のまったり、しゅ、修行かよ。つか、あんなところで休載入ったらいかんやろ。編集部そこは上手くやろう。全部全部中途半端やないかい。マジでグリフィスパート、いらん…キャスカルートを早く回収して…もう、時間がたつほど嫌な予感しかしない。あれだけみんなが苦労して10年船に乗ってスケリグ島に来たのに、キャスカはあっさりどっかに行っちゃう気がしてならん。ありえんと思いつつ、グリフィスを選ぶんじゃないかと心配している。もしそうなったら、もし。歴代最低得点を叩き出してクズヒロイン認定不可避…したくないよお。ガッツのためにしたくないよお。三浦先生お願いだあ。

永野先生は休載もあるけど、もっとうまいこと連載してるよ。伏線の回収も早くなったし、格段に読みやすくなってる。情報量は年々ひどいことになってるけど、もう年表出ちゃってて、しかもそれもしれっと変わってて、せっかく覚えたGM(…まだ慣れん。MHの方がかっこいいのに…)の形状と名称が一夜で灰燼に帰しても、ハイ!奴隷はそれも受け入れます。だってそういう世界だもん。御伽噺。後出しじゃんけんに何言ってもしょーがない。でもあれは〇〇では?と思ったことがピターッとはまった時の気持ちよさ!15巻の表紙、密林のサムネから「オーロラだ!ユーゾッタ出るのか!(コミックス派NT未読)」って滾ったのはサイコーだった…神秘と知識、戦争と政治、ガチガチのカッコイイメカニックと、ジェラートピケやミュウミュウが同一時空に存在する世界観が大好きです。

金カム、読んでない新刊溜まってきた。スギモトさん、す、好き…(辺見君)

うーん!!見事に血がドバドバ出る漫画ばっかり読んでますね!

あ!血と言えばドロヘドロも見なくちゃあ。

空想の世界に逃げ込む深夜。いいじゃない。明日はお休みだし。うん。もう今日だ。うん。

その線は水平線

キリジャバナー2

彼に初めて会ったのはいつのことだったろう。

隔離された島。母子の病室。どちらだったか。

俺の行く先で、いつも鼻先にまとわりついて。

NYの夜のことを、今でも鮮やかに覚えている。

「お前さんに、生きることの素晴らしさを教え込んでやる。」

確か彼はそう言って、俺を場末の飲み屋に引きずり込んだのだ。コップに並々と注がれた安酒をあおりながら、半分掴みかかってくるような勢いで、自分の施した手術の成功例と患者の経過を上げ連ねた。純粋に驚嘆した。同時にさして興味もなかった。対岸の火事。火の粉がこちらにかからなければ、彼がどこで何をしていようと関係がない。

俺がいつまでも酔わないのを彼は苛立っていた。水でも飲むかのように日本酒の注がれたコップを空け、そのまま焼き鳥にかぶりつく。彼の怒りを感じるほど、俺の心は静かになる。飲み屋の客らの喧騒に俺たちの会話がかき消される頃、ぽつりと「上手くいくことばかりじゃねえけどな。」と、かなり酔いのまわった目つきで彼は呟いた。ちり、と心に意地の悪い感情が湧いた。こんなやかましいところで散々自慢話を聞かされたのだ。これくらいはと、彼の手術の失敗例を訊ねた。すると見る間に眉根を曇らせて、泣きそうな顔でうなだれる彼に、柄にもなく心が揺れた。冷えた肌に真っ直ぐな情熱を、焼き鏝のように当てられた気分だった。それがきっかけといえば、そうなのだろう。

もう随分と彼に会ってない気がする。

テレビ番組がオムライスの旨い店を紹介しているのを横目に、缶詰のクラムチャウダーをパンで温める。今日は冷える。スウェットを脱いで、セーターを着た。こたつを知らなかった頃に戻してほしい。これがないと俺は日本の冬が越せなくなってしまっている。クラムチャウダーをすすりながら、温泉特集に移ったテレビをぼんやりと眺めた。

こんなに自宅でゆっくりするのは久しぶりなのだ。先日まで、またC国に行っていた。変なコネクションができてしまって、金払いはいいものだから納得のいく案件は引き受けている。たまにカルテをだまくらかしてくるので油断はならないが。あの国もだんだんと夜中まで子どもが出歩くようになってきた。22時を過ぎても、子どもたちが爆竹の音に喜んでいた様子を思い出す。軽いため息をつき、C国で手にしたステッカーを我が家の大黒柱に張り付けた。

海外に行っている間に年を越した。雪のひどい日で、フライトが一日延びてしまう。なんとかホテルを確保し、腕時計がきちんと現地時間になっているのを確認して就寝した。

ひどい夢を見た。椅子に座った俺の上に、彼がまたがっている。にこにこと酔っぱらった面持ちで、俺の眼帯を引っ張るのだ。俺の体は縛られたかのように動かない。口だけは動くので、思う存分下品な口論を繰り広げた。そのうち彼の唇が降ってくる。およそキスとは言えない拙い接触。怒りで目が覚めた。こんな夢を見てしまうほど、俺はどうかしてしまったのだろうか。

帰国したその足で、馴染みのバーに向かった。枯れ枝を合わせたようなシェード。カウンターの一番端。そこが俺の指定席。キープボトルには、ちゃんと前に来た時と同じ量が残っていた。ロックでチビチビやっていると、木製のスピーカーから「morning」が流れ出す。今日はやけにベタな曲を選ぶんだなと鼻白む。

帰宅するとポストの郵便物の中にゲイバー「すきゃっと」からの年賀状があった。でかでかと真っ赤なルージュがついている。絶対にマチコだ。頭を抱える。その年賀状をダストボックスへ放り込むか、冷蔵庫にでも張り付けて色あせるのを待つか、どうでもいいことを思案しながら庭に出た。どうして我が家の庭は落葉樹が多いのだろうか。俺が作ったわけではないからどうしようもないのだけれど。今年は暖冬で雪がないから、落ち葉も枯れ枝も何もかも散らかったまま。雪は良い。何もかも真っ白にしてしまうから。ぼんやり突っ立っていても寒いだけなので、適当に落ち葉を掃いた。夏には薮蚊の出る茂みの下、ハンモックを吊るした木の根元。それだけ掃き集めると、焼き芋でもできそうなくらい落ち葉がたまった。

久しぶりにエンジンを動かさないといけない。ガレージを開け、ワインレッドのフェアレディZのキーを回す。旧車ならではのエンジン音に、少し口元が緩んだ。正直冬にコイツに乗るのは、あまりよろしくない。最新の自動車と違って、隙間風がぴゅうぴゅう入るのだ。暖房もあまり期待できない。エンジンから直接熱気を持ってくる穴が開いてないだけ上等だ。せっかくだししばらく転がしてくるかと、ダウンジャケットを着たまま運転席に滑り込んだ。

あてもなく車を走らせる。春の日の堤防、桜の公園、デパート前の人だかり、夕暮れの海。どこまでも行けそうで、どこへ行けばいいのかわからなくて。

星が光るころ、岬の家の前に立っていた自分に愕然とした。

来てしまった。

どうしてなんて、決まっている。

俺は会いに来たんだ。

彼に。

だけど岬の家は真っ暗で。彼はここにはいない。

どこにいったのだろう。またどこかででメスを振るって、切ったり貼ったりしているのだろうか。それならばいい。もしトラブルに巻き込まれていたとしても、簡単にくたばる人間じゃない。生命力の塊のような男なのだから、絶対にしぶとく生き延びているに違いない。

どこにいったのだろう。胸を焼くものを感じて辟易する。こんなものがまだ俺の中にあったなんて。戦場で凍てついて全部砕けたはずなのに、彼は勝手に俺の中にずけずけと入り込んで、そのたびに小さくて熱い粒を落としていく。粒がいくつも溜まって、か細い炎を上げた瞬間、俺は何かが変化したのを感じたのではなかったか。

それは彼の瞳を覗くとき。彼のツギハギだらけの手を取るとき。仕事を終えた俺を怒りに任せて罵る彼の眼が、涙で滲んでいるのを認めたとき。くだらないことで笑いあい、帰り道で口づけを交わしたとき。

俺にはその変化を受け入れることしかできなかった。オマケみたいな人生だったし、どうなってもいいくらいに思っていたのかもしれない。ただ彼の熱はあまりにも苛烈で。

初めて体を重ねた時のことは、遠い日の記憶のようだった。それでいて鮮明で、手触り一つはっきりと覚えているような。冬の夜風に冷え切った手を合わせる。がさついた己の掌の感触とはかけ離れた、彼の縫合痕のついた頬の感触。彼のことを思い出すことしかできない自分が情けない。

探しに行けばいいのだろうか。なりふり構わず、全部放り出して。そんなことは、できない。彼はできるかもしれないけれど、俺にはできない。俺を待つ依頼者がいる限り、投げ出すなんてことは願い下げだ。

海原の水平線に目をやる。なんとなく俺たちのようだと思う。どこまで行っても平行線。決して交わることがないはずだったのに。夜空と水平線が接する部分。そこが妙に気に入っていた。

ポケットから煙草を出す。車体に寄りかかったまま、深く煙を吸い込んだ。馬鹿馬鹿しくて笑えてくる。こんなことになるから、俺は。

夜空に煙を吐き出した。あっという間に霧散して、暗闇が下りてくる。携帯灰皿に煙草をぎゅっと押し付ければ、小さく火の粉が飛んだ。そうだ。彼のことはきっと一瞬の火花のようなもので、俺はきっとまたタールのような日常に戻れる。穏やかで、揺らいだりしない、なにひとつ欠けることのない日常。毎日死ぬために生きる。一日生きれば一日死に近づく。今までそうしてやってきた。もとに戻るだけだ。静かでいい。

冬の海風にさらされていると、さすがに凍えてきた。車に乗り込もうとした時、小さな光が丘の向こうに見えた気がした。光はどうやら車のヘッドライトのようだった。一直線にこちらへ向かってくる。まさか、と思う間に、黒いクラウンが俺の目の前に停まった。

勢いよくドアが開く。

ヘッドライト消してから降りて来いよ。

逆光になって顔が見えないよ。

暗闇を引き裂いた光の中で、朗らかに声が響く。

「またヒトゴロシか!キリコ!」

【BLOG】作業用BGM②

以前のブログでベルセルクが私の中でアツイとゆー話をしました。

というわけで、現在ガッツリ平沢進を聞いております。どうしてこの奇天烈な紳士がフジロックに出ておるのか甚だ疑問だったのですが、納得納得。ライブのパフォーマンスの充実っぷりもさることながら、楽曲の無敵感。壮大すぎて夢に出たわ。「灰よ」から入ったわけなんですが、むちゃくちゃかっこいい。狂ったようにリピートして聞きました。「sign」で平沢言語なるものに接触し、「ワージッ!」と詠唱できるくらいにはなりました。そして「Forses」!無敵状態になれます。「パレード」のようなディストピアな音も好きだなあ。

実に構成がスサマジイ。最初っから爆音で来たかと思いきや、ちょっと待て、まだ先があるぞ。ああっ、そこでそんなに絞っちゃう?怖い怖い。来た来た来た、でっかい波が来たー!って。また歌詞が意味不明すぎて、考察なんかできないけど、言葉遊びのできる稀有なアーティストなんじゃないかと。ううん、上から目線!にわか馬の骨だから許してください。

平沢進超初心者なので「庭師king」を聞いて、へらへらと笑って居る次第でして、P-MODEL時代のトンガッタ音はまだ聞けません。テクノは大好きなので、きっと聞いたら楽しめるとは思うんですが、なんつーかな「もう戻れない感」があるんですよねえ…YMOがショートケーキなら、こっちはバナナレアチーズエクレアブリュレ(そんなお菓子ある?)みたいな…余計にわからないですね。

80~90年代のテクノの朴訥さが新しく聞こえるこのごろです。YMOの「君に胸キュン」のおふざけ加減がたまらんです。歌謡曲の中に打ち込み系の音が増えて、Jpopになっていく過程の音楽を聞くのは面白い。アイドルって存在が大きい気がします。松田聖子まではとにかくオーケストラ背負わせて歌わせとけって流れだったんですが、もっとキラキラしだした光GENJIなんかが出てくると、もう止まらない。そのへんのサウンドの変遷は、杏里を聞くととても分かりやすい。バブリーなサウンドも当時はさぞかし刺激的だったのでしょう。情熱的で素直で、その時代を表す音楽。今聞けるしあわせったらないです。00年代にもかかりますが、電気グルーヴも聞きます。いよいよ本格的に動き出したし。「N.O.」「モノノケダンス」「キラーポマト」「猫夏」が好き。割と古いのばっかり。ピエール瀧のことは大好きなので、応援したいです。あと瀧の逮捕以来、石野卓球の株が私の中でうなぎ登りして冷凍されてます。ガチ中のガチってあんな人のことを言うんですね…怖。

サカナクションもよく聞きます。「忘れられないの」ではバブリーな雰囲気の再現度が高くて、しかしながら古臭くなくて、無限にリピして聞きました。でもサカナクション、取扱注意なんですよ~私にとって。深夜に聞き出すと妙にハイになっちゃって、そのまま朝を迎えるなんてことがざらにあっちゃったり。困ったもんです。原因は単純に音の多さです。意外とピッチの速いビート。音の洪水。そして最低限の処理しかしてないボーカル。いやはや人間の声ほど強いもんはないですね。ライブチケット抽選はずれたの未だに残念。

あとは「創聖のアクエリオン」とか「妖星乱舞」とかYouTubeのピアノメドレーとかを延々と聞いてます。やたら音楽アプリを進められんだけれども…お金がかかるのは嫌だなあ…そうだなあ、その他はこれらのアクの強い楽曲の毒を抜くためにSAKEROCK聞いてますね。星野源とハマケンのやりとりにほっこりする。その前は、ずっとマキシマムザホルモン爆音で聞いてたし、家族パロと取っ組み合ってる最中は打首獄門同好会とヤバイTシャツ屋さんばっかり聞いて、マンウィズアミッション聞いて、ユーミン聞いて、嵐まで聞いて、これでもかと音楽でドーピングしてました。オリジナルカクテル状態のドーピング。音楽は偉大。何にせよここ最近の作業BGMは闇鍋状態です。

そしてそれらを聞きながら描いてるのは濡れ場っていうね、ホント自分の正気を疑いますよ。めっちゃ楽しいです(いい笑顔)。