キリジャバナー2

虹の彼方に(四)

※2021/12/5改訂 朝からカガイだ、カガイだと社の中は浮ついている。キリコの言っていた『歌垣』だ。 大師様が山に戻るから、その見送りの宴と、キリコが〈十〉になったことの祝いらしい。 キリコは〈八枚〉様から飛び級で、...

キリジャバナー2

虹の彼方に(三)

※2021/12/5改訂 朝飯を食うと、キリコはお清めへ。今日もせっせと鱗を育てるわけだ。 相変わらず俺は軟禁。大師様が来てから、俺の監視は一層厳しくなった。大師様の滞在中に不手際があっては一大事ってことなんだろう。俺の...

キリジャバナー2

虹の彼方に(二)

※2021/12/4改訂 腹に衝撃を喰らって目が覚めた。 重たい頭を上げれば、耕太が布団の上に乗っかっている。 「もう8時だぞ!起きろ!」 やめろ。頭にキンキン響く。 「まだいいじゃねえか。いろいろあって眠いんだよ」 障...

キリジャバナー2

虹の彼方に(一)

※2021/12/4改訂 さて、この光景をどう呼称しよう。 事故現場…妥当だが些か足りない。 地獄……実に陳腐だ。 立ち登る煙の柱の先に、赤や黄の粉塵にまみれた黒いコートがいる。 ここが終着点なんだな。 全部ぶち壊したお...

キリジャバナー2

サムシング・アバウト・アス

ダフト・パンク解散を受けてショックのままに描いたまんが。キリコ先生がポンコツになっているのはそのせいです。あとこの曲すごく良いんですが、邦題がいただけない。サムシング・アバウト・アス=僕たちについての何か、それくらいでいいのにねえ。だけど確かに二人の間にあるもの。キリジャの二人の間にだってきっとある。