おまけ
原作のBJ先生には家族と撮った卒業写真は存在しないのだなあ、とふと感じたことからできた黒男の成長の物語でした。
原作ではいじめられていたという描写があるので、何につけても好奇の目に晒され、辛くて悔しい思いをしてきたのでしょう。黒男にとって初めてそれを自覚した時のことを妄想して描きました。自己と他者を区別できるようになると、自分を客観視できるようになりますよね。2年生はそういう時期だと思います。1年生のときのように「みんなともだち」じゃなくなるんです。それを際立たせたくて車椅子の描写を入れました。はじめの設定のときと違いますがご容赦を。
キリコ兄姉はくどい説教をするタイプではないので、おおらかに見守ることで弟たちの成長をサポートしていきます。その中で自分たちはどうするのかという場面もキリコ姉を通して描きました。姉を支えるキリコ兄さんは頼もしくあります。しかし彼は就職活動にゼミに卒論と、実に多忙な中にいます。家庭に戻れば大黒柱としての役目もある。姉のほうも入試に予習復習、家事を兄と分担して行っています。いつ休んでいるのでしょう…このへんはまだ妄想のしがいがありますね。
「ごめんなさい」が言える子は、まっすぐ伸びる気がします。この件に関しては黒男がそう言えるまでに4年もかかってますが、あいつのせいです。あいつは「ごめんなさい」が言えないタイプ。でも心の中では死ぬほど後悔してるタイプ。それはまた別のお話で。
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