更新/キリコ語り&拍手お返事(12/15)

今回の投稿は数年前に出した同人誌からの再録です。キリコ先生が安楽死医として歩み始めるルーツになる話を描きたかったのです。しかし今読み返すと…舞台が戦場と言うこともあり、どえらい不適切用語を連発してます。外国の方もご覧になるこのサイト、せっかく遊びに来てくれたのに嫌な気持ちにはさせたくないな…大丈夫かな、やめとこうかなと逡巡しました。

だけど再掲しようと決めたのは単純に開き直りです…ごめんなさい。ただ特定の誰かを不快にしたい意図はないことをどうぞ分かって下さい。都合のいいことを言うようですが戦争については、いくら本や映像で知識を得ても、補いきれるものではないと改めて思い知りました。私は未だに70年前の水準で国防を語る日本人の甘ったれです。そんな私が足りない頭と拙い技法で、キリコ先生が置かれた戦場の様子を描いたのが、今回アップした「Show must go on」です。

生と死と、戦場と医療、敵と味方。人間の欲望。表現するには、とてもとても私の手に負えませんでした。だけど私の中のキリコ先生はその道を歩いてきている。

初めから目が座ったヤクザな軍医だったわけではなく、きっときらきらと希望と理念を持って務めていた時間もあったと思うのですね。まるでBJ先生のように。キリコ先生は彼と違う道を選んだけれど、それだって手軽に選んだわけじゃない。初めて安楽死として患者の生命を奪った日から、これでいいのかと幾度も問い返したに違いないのです。それでもと抱いた自分の矜持を何度も何度も自分で潰して、他人に足蹴にされても強く叩き直して、両の足で踏み縛る日々があったんじゃないか。しかし戦場においては、それですら可能であったのかどうか。想像すればするほど、キリコ先生の精神はレイヤー構造が何重にもなっていて、底も核も見えません。

今の飄々として掴みどころがないようでいて、妙にどっしりと存在感があるウチのキリコ先生の印象は、底も核も見えない心象風景がイメージになっています。

その風景の中を、とびきり異質なBJ先生が縦横無尽に歩き回るのです。不躾なまでの熱量と、嵐のような横暴さで。実はBJ先生もそれなりに配慮はしているつもりだけど、全然方向が違うっていうね。だけど何も置かれていなかった真っ白のキリコ先生の寝室に、彼が入り込んでいることを思うと、あながち見当外れとも言い難い。

キリコ先生の過去を妄想すればするほど、現在の彼がBJ先生に翻弄されている姿がほほえましく見えるのです。ごめん!ほほえましいのは私だけだ!当事者のキリコ先生はたまったもんじゃないですね。そんな関係性がキリジャを描いてて面白いと感じます。

BJ先生の生い立ちからブラック・ジャックになるまでも壮絶なものがありますが、キリコ先生にもバックボーンがあるはず。原作で語られた数コマ、僅かなセリフから妄想をこれでもかと膨らませ、キリジャを描く糧にしているんです。

「Show must go on」は、そんな妄想のきれっぱしです。

この時期の彼がいたから、ブラック・ジャックにドクター・キリコは出会った。

そのドクター・キリコができるまでに出会った5人の亡霊たちの話でもありました。これでキンク、メルケル、イムレイは出ましたね。ホーキンスとバーナードは微妙に繋がっているので、どうしたもんか。いずれは形にしたいものです。ホント、キミらとこんなに長いお付き合いになるとは思ってなかったよ!彼らを気に入って下さっている方がいらして、とてもうれしい限りです!

あっ、長い長い。こういう冷たい話があって、今のキリジャがあると温故知新。もっといろんなキリジャ描こう~っと手を握る更新でした。

年末だなあ。今年は後いくつ更新できるかなあ。またよろしくです。

拍手お返事

拍手ありがとうございます~!定型文、返信不要の方、とても心が潤いました。拍手いただけるとモチベーションが全然違いますね…あんまり言うとクレクレみたいになってダメなんですが。感謝の念に堪えません~!貴方様のおかげでペンが握れている~!(言うとる😇😇)

拍手絵変えました。戦場にいたころのキリコ先生をイメージしたイラストになってます。

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