【BLOG】M.F.V.L「私の悪役令嬢」あとがき

長らくお付き合いくださいましてありがとうございました。なんとか最後まで書き切りました。この話は昨年の夏の投票で負けた「海」の話になります。資料集めがかなり進んでいたので、もったいなくてテキストの形で表現しました。結局負けも作っちゃいましたが、約一年越しなので勘弁してください。

今回テーマを「悪役令嬢」に決めたことで、「悪意」を各所に散りばめて書くことになり、かなり胸糞展開が続いて私の精神衛生がよろしくなかったなあ。いかにヘイトを溜めてスッキリさせるかが難しい!

特に沙織とピンク頭の一団に関してのいざこざは、悪役令嬢ものにありがちなテンプレの内容を意識してみました。舞台を豪華客船に設定したのも、なんちゃってヨーロッパな悪役令嬢ものの雰囲気を、違和感少なく現代劇に表現できるかなと思いついたためです。何度もパーティがあったりしますし、ドレスコードが厳しい船もあるし。

パーティと言えば仮面舞踏会の場面がバリバリ気合入りました。今回ころころと衣装が変わるBJ先生でしたが、まさか女装させられるとは思ってもみなかったでしょうね。やってみたかった、それだけです。対してキリコ先生は、いろんな背景を持つ依頼人と最後の時を過ごすことが多いんだろうなという妄想のもと、タキシードも着こなすし、エスコートだってお手のものって完璧超人になってしまいましたが、いつもの事ですね。でもビーチで上半身裸にしたのはやりすぎた。これは反省してます。

基本的に子どもの喧嘩に割り込んでいると黒医者2人はよく理解して動いています。精神年齢が近い(とは言え一回りは違う、と思う)BJ先生はやらかしかけてますが、そっちは追加SSでどうぞ。

キリコ先生が「ロッキー・ロード」と名乗っているのは、アイスのフレーバーから来ているのはもちろんなのですが「kiriko」をアナグラムにして「rokkii」としたことが始まりです。うーん、安直。

一番初めから最後まで登場する羽目になった平野星満については、もっと上手い登場の仕方とかあっただろうなと課題が残るキャラクターになりました。悪役令嬢を超える、濃い悪意。それを描こうとすると、どうにも彼を道徳性の低い、利己的で執念深い人間像にせざるを得ませんでした。浅い書き方になってしまったので、もっと伏線の張り方とか、情報の取り出し方とか、もっと翻弄できる方法があったのではないかと、一番の後悔になっています。いやはや、難しい。

沙織が最後にした選択については、読者の方にお任せします。

いつもさっぱり系で終わることが多いので、ちょっともやる方にしてみました。

あとは小ネタがほんの少し入ってますけど、私の趣味です。

タバコに関するこだわりなのですが、キリコ先生が愛煙している「チェリー」は東日本大震災を境に販売が終了している品名です。各界の著名人が吸っていたことで有名らしい。私の場合は大した事情ではありませんが、幼いころからこれの煙を嗅ぐことが多かったんですね。今でもタバコと言えばチェリーの煙を思い出します。今の時代にはそぐわないほどの重いタール値がキリコ先生には合う気がして、現在は入手が不可能なタバコを彼に吸わせています。BJ先生は今回ラークを吸ってますが、もともとはマイセンくらい軽いのが好きなんだろうと思ってます。パッケージだけで選べばECHOでもいいかも。今より金に汚い時代は絶対ECHO吸ってたって!(偏見)彼は原作でパイプをよく使用していますが、パイプについてはまだ不勉強なので、当面シガレットで勘弁してもらいたいです。

追加SSで触れることになるのですが、今回鈴井が担っていた立場、船医と言えばブラック・ジャックでは一人しかいないでしょう。なんですが、ごめんなさい。私、彼女が嫌いです。名前を出すのも嫌なくらい。腐海の森に棲んでいる土壌はあるかとも思いますが、人としてお前どうなんと憤ることが原作読んでてありまして。その辺もキリコ先生に代弁させてしまっています。公式グッズ、どうして彼女を入れるんだろうなあ。

まあそういうのは後付けの感情でして、本編通して楽しんで書きました。

追加SSの後は、ペンタブを握りたいですね~しばらく描いてない~

最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました!

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